”プロが教える” 賃貸住宅を構造から見極める方法

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プロが教える 賃貸住宅を構造から見極める方法 

建物の構造には、鉄骨造以外にも「木造」「鉄筋コンクリート造」「鉄筋鉄骨コンクリート造」があります。構造部分は目に見えないので軽視されがちですが、音や振動などの問題と直結しています。住環境をより良く保つために、建物の構造はとても重要な役割を果たしているのです。それでは、それぞれの構造にはどのような特徴が

あるのかを見ていきましょう。

  1. このブログ記事の趣旨
  2. ほとんどの人は、家族構成や生活リズムなどを考慮して、主に立地や間取りで賃貸物件を検討するのではないでしょうか。しかし、木造や鉄骨などの構造によっても生活に違いが生まれます。このブログ記事では、賃貸物件の構造によっての違いや特徴、メリット・デメリットをご紹介させていただきます。

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賃貸住宅はどんな物件が人気?それぞれの構造の違いは?

賃貸物件住宅の構造は、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造など数種類に分かれています。ここでは、それぞれの概要をご紹介いたします。

木造

日本では木材が豊富なため古くから用いられていて、神社や寺院などの歴史的建造物でも用いられている構造です。
現代では、低コストで建てられるため、低層の一般住宅やアパートなどに多い構造となっています。木材は、材料として軽量で加工性が高いので、あとからのリフォームもしやすく、狭い場所での施工もしやすいという特徴があります。木造のアパートと聞くと安っぽいというイメージがある人もいるでしょう。しかし、おしゃれな木造の物件も増えてきていて、木造にもかかわらず3階建ての物件も登場しています。

鉄骨造(S造)

Steelの頭文字で表現されているS造ですが、鉄骨造という意味があります。粘り強くしなやかさがある鋼材の厚みにより、以下の2種類に分類されています。

重量鉄骨構造』
重量鉄骨構造は、コンクリートを使わないので建物の軽量化を図ることができます。また、粘り強くしなやかさがあるのが特徴なので、体育館など柱のない広い空間を必要とする建物や、高層の建物などに適している構造です。そして、鋼材の厚さが6mm以上のものを「重量鉄骨構造」と呼びます。
重量鉄骨造では、大量生産には不向きという特徴があります。そのため、成形に時間がかかり、費用も高くなってしまいます。厚みのある鉄材を用いるため、柱や梁が必然的に太くなり、軽量鉄骨よりも少ない本数での建設が可能です。柱の本数が少ないとレイアウトの自由度が高くなるメリットが発生しますが、建築費用が軽量鉄骨造より高いというデメリットもあります。
また、重量鉄骨造は、柱と梁が接合する部分が変形しにくい「剛接合」と呼ばれる構造となっており、かなり頑丈なのも特色です。そのため、ビルやマンションなどの大きな建築物にも用いられます。

重量鉄骨構造で用いられる「ラーメン構造」
重量鉄骨造では「ラーメン構造」が用いられます。ラーメンの語源は、ドイツ語で「枠」「額縁」を表す「Rahmen」です。柱と梁で骨格を造り、そこに壁を張っていく構造がラーメン構造です。柱と梁を強く固定する剛接合をすることで、建物の骨格を形成していきます。通常、柱と梁を太く大きくしていけば、大きな建物を建てることが可能です。
しかし、室内に梁や柱が張り出してしまい、空間に「でこぼこ」が生じるというデメリットも発生します。居室に梁や柱を作りたくない場合は、壁で建物を支える「壁式構造」のメリットと合わせた「壁式ラーメン構造」を用いることもできます。

『軽量鉄骨構造』
軽量鉄骨構造」は、鋼材の厚さが6mm未満のものをいいます。しなやかさがあるという特徴のため、建物の揺れが大きくなってしまいがちです。しかし、地震などで揺れが大きくなっても、粘り強く耐えることができますので、鉄骨が折れにくく、完全に建物が倒壊するということは少ないといえる構造です。
6mm未満の厚さだと事前に工場で大量生産ができるため、一定の品質が保たれやすく、建築費用が抑えられるというメリットがあります。
しかし、鉄骨が薄いとどうしても柱や梁が細くなるため、鉄骨の本数を増やして強度を上げなければなりません。柱の本数が多くなることから、レイアウト(間取り)が限られるというデメリットが発生します。軽量鉄骨造は、一般住宅や小規模店舗に多く見られます。

軽量鉄骨構造で用いられる「ブレース構造」
軽量鉄骨造では、「ブレース構造」が用いられています。ブレースとは、柱と柱および柱と梁のあいだに対角線上に部材を入れて構造を補強する「筋交い」のことです。柱と梁だけでは強度が担保できない場合、ブレースを入れて「面」を作ることで強度を保ちます。それを一定間隔で配置するため、建物に加わる水平の力に耐えられる強度を得られます。
難点としては、筋交いは容易に撤去することができないため、リフォーム時に希望通りのレイアウトにできないことが挙げられます。

鉄筋コンクリート造(RC造)

Reinforced Concreteの頭文字で表現したRC造は、鉄筋コンクリート造のことをいいます。引っ張られることに強い鉄筋と、圧縮されることに強いコンクリートが、お互いの素材の弱点を補うために一体化された構造です。鉄筋の枠に、コンクリートを流し込んで強度をもたせ、建物の強度が必要な柱や梁などに用います。鉄筋コンクリートは、重たいので中低層までの建築が主流です。

『2種類の構造がある』
鉄筋コンクリートで出来ていると言うだけで、材料としては鉄筋コンクリートなので「鉄筋コンクリート造(RC造)」ではあります。その鉄筋コンクリートを、どのように組んで建物が壊れないようにするか?というのが、 構造形式です。



6枚の面で構成する壁式構造
壁でもたせるという考え方です。柱など不要で壁だけがあれば大丈夫だろうと言う考え方です。とは言え、壁に窓や扉がたくさんありその壁の強度が弱そう、と言うのはよくありません。その分、他のところに鉄筋コンクリートの壁をつくってあげればよいのでは?というように、所定の壁の量があって、バランスよく配置されていないと、構造的には優秀とは言えません。きちんとクリアできた場合に構造体としてしっかりとした強度が発揮できます。この壁式構造は、柱などがないので凸凹の無い整形の四角い部屋が作りやすくなります。しかし、壁のみで強度を確保しているので、バランス良い壁の配置が必要となります。
例えば、部屋の真ん中にどうしても壁が必要になってしまうど、間取りには悪影響を及ぼすことがよくあります。また、各階ある程度ランダムに配置されている壁のみで 支えているということから「5階建てくらいまでが限度」と言われています。
1戸建ての家なら、多くても3階建てくらいと思われますので、全く問題は無いといえます。この壁式の鉄筋コンクリート造(RC造)は、ハウスメーカーでも採用していますので、身近な鉄筋コンクリート造(RC造)とも言えます。

柱と梁で長方形を構成するラーメン構造』
ラーメン構造は、垂直方向に建つ「柱」と、柱をつないで水平方向にかけられる「梁」で長方形を構成します。柱と梁のフレームで建物を支え、室内に動かせない耐力壁が出ないため自由な空間をつくりやすくなります。将来リフォームする際も間取り変更の自由度が高い点もメリットです。デメリットとしては室内に柱や梁が張り出すことが挙げられます。特に天井に出る梁は間取りプランを見ただけでは想像しにくいので、事前にしっかりチェックするとよいでしょう。低層から高層建築物まで幅広く対応できるのが特徴です。

・大開口部(窓や扉やシャッターなど)を作ることができる 
・大きな吹き抜けを作ることが出来る
室内の端に柱や梁の出っ張りが出てしまう。


鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

Steel Reinforced Concreteの頭文字で表現されるSRC造は、鉄骨鉄筋コンクリート造のことをいいます。RC造の構造に加え支柱となる鉄骨を組み合わせるので、RC造の耐久性とS造の粘り強さを兼ね備えている構造です。そのため、RC造よりも高層の建築が可能となります。ただ、土台の低層階にコンクリートを使い、上層階の軽量化を図るためコンクリートを流し込まないことも少なくありません。

構造によるメリットとデメリットは?

自分はどのような家に住みたいのか、どのような生活を送りたいのかなど、賃貸住宅を探すときはさまざまな条件を考えるものです。ここでは、それぞれの構造には、どんなメリットとデメリットとなる部分があるのか、防音・耐火性・耐震性・コストについてご紹介させていただきます。

木造



防音」には難がありますが、これは建物内でのことであり、外部から音・建物内からの音漏れは、断熱材や窓ガラスの機能と外壁材によるものなので、木造だからといって防音に優れていないとはいえません。建物内では生活音が聞こえやすいということです。
耐火性」については、木なので耐火性は低そうだと考えられがちですが、木は燃えると炭として形を保つこともあります。そのため、燃え尽きるまでに時間がかかるので、倒壊するまでの時間が稼げるという側面もあるのです。
耐震性」もないと思われがちですが、木は軽い材料なうえ、しなるので揺れを吸収するといわれています。建物の倒壊は、木材が折れて発生するのではなく、柱と梁の接合部が外れることによって発生することがほとんどだとされているので、軽くてしなり揺れを吸収する木は耐震性がないとはいえません。コスト」面では、材料が安く工期も短いので、建築コストが低く抑えられた建物なため家賃は安く設定されていることが多いです。

鉄骨造(S造)


防音」は、重量鉄骨構造では壁が厚くなるので多少音は通りづらいですが、木造とさして違いはないというのが現状です。
耐火性」は、木造よりは優れていると考えがちですが、鉄骨は高温で変形する特性があるので建物が倒壊してしまう恐れがあります。
耐震性」については、柱や梁はしっかりしているので木造と大きな違いはなく鉄骨自体は折れづらいので、接合部が弱ければ揺れやすく倒壊の危険もあるというわけです。コスト」は、木造よりは割高となります。

鉄筋コンクリート造(RC造)


防音」については、気密性が高く壁や床などコンクリートが音を遮断するので優れているといえます。また、空気電波音や個体電波音に対しても有効です。
耐火性」は、不燃材料のコンクリートなので安全だといえます。家自体が耐火性がある構造ということです。
耐震性」については、木造や鉄骨構造と違い接合部の点がありません。揺れの力を全体に分散するので、耐震を重視した構造といえます。高層階では揺れやすいですが、免震構造のため揺れを吸収し倒壊を防ぐことが可能です。メリットがある構造で「コスト」がかかるため、家賃が高い傾向にあります。

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)


防音」については、コンクリートを流し込んでいる低層階なら高い音も低い音に対しても有効ですが、軽量のためコンクリートを流し込んでいない高層階ではやや防音が劣る場合もあります。
耐火性」も同様に、低層階のコンクリートを流し込んでいる場所は安全です。
耐震性」については、鉄筋コンクリートにさらに支柱となる鉄骨を組み込んでいるので、非常に強い構造といえます。しかし、高層の建物の場合、免震構造なので揺れやすいといえるでしょう。多くのメリットがある構造で「コスト」がかかるため、家賃は高い傾向があります。

賃貸に住む場合こだわりたい点は何かを考えよう

賃貸物件を探すときには、家族構成や年齢、生活リズムなどで選ぶべき物件が異なります。子供がいるなら、防音性や遮音性を重視することや、安全のための耐火性と耐震性を意識したRC造やSRC造が適しています。
日中に家族が家にいるなら、温まりにくく冷めにくいRC造かSRC造が快適に過ごせますが、日中に誰もいないなら家賃を抑えられる木造かS造でも十分だといえるでしょう。耐火や耐震が気になり、家賃も抑えたいのならS造が適してします。
家賃は高くても眺めが良い部屋に住んでみたいなら、SRC造タワーマンションの高層階を選ぶべきです。
また、アレルギーなどがある人には、木造が適してします。木造は、通気性が良いので夏は涼しく、湿気も木が吸収してくれるのでジメジメしません。そのため、アレルギーの原因となるカビなどを防いでくれるのです。

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まとめ


どの構造にも一長一短があります。自分や家族の生活リズムや目的などを考えて物件を探すことが大切です。もちろん、立地や家賃も大事な検討材料ですが、住む家が自分や家族にマッチしていなければ、さまざまなことに悪い影響を与えてしまいます。賃貸を探すときは、現状に適しているのはどの物件かを見極め、物件選びのヒントにしましょう。

不動産の取引には非常に複雑な知識や経験が必要になります。いい不動産会社と出会うことができれば、面倒な手続きも代行してくれて適切なアドバイスをしてくれます。
また、思い入れのある土地や、資産性のある土地なら手放さずに活用するという選択肢もあります。

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