”売却の神知識” 知っておくべき違反建築物と既存不適格建築物とは
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知っておくべき違反建築物と既存不適格建築物とは
- このブログ記事の趣旨
- 違反建築物は、法律に違反して建築されている建築物です。
既存不適格建築物は、建築当初は適法だったものが、その後建築基準法などの法律の改正などにより、現在では適法ではない建築物です。 - 新しい購入者が住宅ローンが組める物件か否かが別れる為、非常に重要な事なのでご説明いたします。
違反建築物とは
違反建築物のケース
- ケース1
- 建ぺい率60%・容積率100%の敷地に建築された建物の例
- 1.建築当初から、建ぺい率70%や容積率110%と規定値以上の数値だった。
- 2.図面上では規定値以内の数値だが、建築確認申請時(建ぺい率50%・容積率90%)と異なる建物(建ぺい率55%・容積率95%)を建てた。
- 3.検査済証取得後に敷地を売却したり、建築確認内容とは異なる建物に増築した。
- ケース2
- 建築計画概要書では、3階建の木造戸建として建築確認許可がおりた。建築計画概要書にもそのように記載されているが、登記簿謄本を見ると地下室の記載があり、実際に地下室がある。検査済証は取得していない。
- ケース3
- マンションの1階部分に、容積率不算入の駐車場を造るということで建築確認・検査済を取得したが、その後駐車場部分を居室に造り替え、その居室を分譲している。
既存不適格建築物とは
「既存不適格」とは、当初は適法だったものが、その後建築基準法などの法律の改正などにより、現在では適法ではないことをいい、既存不適格の物件を既存不適格建築物(既存不適格物件)といいます。
建築基準法は、建築技術の進歩などにより改正される頻度の高い法律です。そのため、建物が建築された当時の法律の基準に適合していたものの、その後の法改正および用途地域の変更などにより、現在の法律の基準に適合しなくなった建物が既存不適格建物です。
既存不適格建築物は違反にはならず、原則そのままの状態で存在が認められます。ただし、一定規模を超える増・改築を行う場合には、不適格な状態を解消し、建築物全体が建築基準法の規定に適合するようにする必要があります(建築基準法第3条2・3項)。建て替えなど再建築の際は、現在と同じ用途や規模の建物が建たない可能性があります。
例えば次のようなケースがあります。
既存不適格建築物の例
◆用途地域や建ぺい率・容積率などの変更により規定の数値を超過した
◆都市計画道路が事業化され買収された結果、敷地が減少し、建ぺい率・容積率が規定数値を超過した
◆条例や指導要綱の内容が変更となったため、現在の規定には適さないと判断されているもの
最近よく見られ、見落としがちな既存不適格建築物には次のようなものがあります。
見落としがちな既存不適格建築物の例
- ケース1
- 高度地区における最高高さ制限による既存不適格
- 都市計画の見直しにより、最高高さ制限を定めた高度地区が、2004(平成16)年より指定されている区域があります。該当している場合、2004(平成16)年以前に建築された既存の建築物は、高さ制限に抵触している建物(既存不適格)も少なくありません。高度地区の制限がある不動産の物件調査をする場合、その物件の建築計画概要書を取得した上で、
- ①現在の建物が既存不適格に該当するかどうか
- ②再建築の際に同規模の建築物が建てられるのか、
- なにか特例措置はないのかを確認した方が良いでしょう。
- ケース2
- 建築後にできた地区計画による既存不適格
- 建築後に新たな地区計画が定められる場合があります。既存の建物がその地区計画の規制に抵触しているときには既存不適格物件となります。
違反建築と既存不適格の違い
違反建築と既存不適格、どちらも再建築時に同規模の建物が建たないという点については同じです。
しかし、そもそも違法である物件(違反建築物)と建築当初は適法だったが、現行の法令や条例等に照らすと適法ではない物件(既存不適格建築物)とでは大きな違いがあります。
違反建築の場合で、金融機関から「住宅ローンを利用できない物件」と判断されるケースが多いのは、法律に沿っていない物件を担保とすることや違法な物件について正確に価値を算出することが難しいからです。
ただし、既存不適格の場合であっても、建築当時と現在の規制数値が大きく異なっている場合は住宅ローンが否認されるケースもあるため、金融機関(銀行)に「この物件で住宅ローンを利用できるか」について事前に確認しましょう。
まとめ
既存不適格の場合であっても、建築当時と現在の規制数値が大きく異なっている場合は住宅ローンが否認されるケースもあるため、金融機関(銀行)に「この物件で住宅ローンを利用できるか」について売却を進める不動産会社へ確認しましょう。
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