”どっちがいいの?” 電気温水器とエコキュートとの違い
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電気温水器とエコキュートとの違い
- このブログ記事の趣旨
- 電気温水器はオール電化住宅で利用する給湯器の一種です。 このブログ記事では、電気温水器の仕組みやメリット・デメリット、などをご説明します。今後購入を検討される物件や建築を考えられている方へ少しでもご参考になれれば嬉しいです。
電気温水器とは
電気温水器のことを詳しく知る前に、まずは仕組みや種類について把握しておきましょう。
電気温水器の仕組み
電気温水器とは、電気ヒーターを利用してタンク内の水を温め、お湯を沸かす仕組みの給湯器のことです。原理としては、一般家庭で使われる電気ポットでお湯を沸かす仕組みをイメージするとわかりやすいでしょう。
作ったお湯は高温のままで大容量の貯湯タンク内に貯められます。お風呂やシャワー、洗面台、キッチンなど、お湯を使う箇所にはタンクから配管を通じて各蛇口へ直接給湯されます。
昼間でもお湯を作ることができますが、電気料金が割安になる時間帯に作るとコストを抑えられるため、一般的には夜間の時間帯に大量のお湯を作り、貯蔵するという使い方をするのが特徴です。お湯を作るのは夜間ですが、お湯を利用するのは24時間いつでも可能です。
電気温水器とエコキュートの違い
オール電化住宅では、給湯器の選択肢として主に「エコキュート」と「電気温水器」の2種類が挙げられ、これらを総称して「電気給湯機」といいます。
ここでは、電気温水器とエコキュートの違いを本体価格や電気代などの項目ごとに解説します。
仕組み
電気温水器とエコキュートの仕組みの大きな違いは、熱を作り出す方法です。
電気温水器は電気を金属に通すことによって、電熱ヒーターを使って水を直接加熱してお湯を作ります。
一方のエコキュートは、外気を利用したヒートポンプで水を加熱します。ヒートポンプは、外気から熱を取り出して冷媒を加熱し、その冷媒を圧縮してさらに温度を上げ、熱交換器で水を加熱します。エコキュートは熱源として外気を利用することで、電気温水器よりも高い効率でお湯を沸かすことができます。
本体価格
電気温水器とエコキュートは、本体価格にも多少の違いがあります。大手メーカーのエコキュートと電気温水器の定価は、以下の価格帯となっています。
さらに、ワンルームマンション向けの小型の電気温水器は、200L・150Lともに税別40万円台でラインナップが用意されています。
電気代
電気温水器とエコキュートはお湯を作る仕組みが違うため、かかる電気代も異なります。
ヒートポンプで外気の熱を利用するエコキュートより、電熱ヒーターを使って水を直接加熱してお湯を作る電気温水器の方が消費電力が多くなるため、電気代も割高になる傾向があります。
寿命
電気給湯器の寿命は何年とは一概にいえません。ただ、メーカーが保証している期間は、電気温水器もエコキュートもほぼ同じ年数です。
大手メーカーでは、給湯器本体の無償保証期間は2年間です。その他、熱交換器やヒーターは3年間、貯湯タンクの缶体は5年間の保証となっており、これは電気温水器もエコキュートも同じ年数となっています。
また、ユーザーが保証料を負担することによって保証期間を延長できる制度もあり、その場合はメーカー保証期間と延長保証期間を合わせて、合計で5~10年程度の保証を受けられます。
補助金
電気温水器とエコキュートでは、補助金に関する違いもあります。エコキュート導入に対しては、国や自治体から補助金が出る場合がありますが、電気温水器は補助金対象外となっているケースが多いです。
たとえば2024年5月時点で、エコキュート導入に対しては「給湯省エネ2024事業」による補助金があります。
給湯省エネ2024事業の対象となるのは、新築注文住宅にエコキュートを購入・設置する際の工事請負契約や、エコキュートが設置された新築分譲住宅購入の不動産売買契約などです。戸建住宅のみならず、マンション等の共同住宅も対象となってます。
さらに、リフォームで対象機器を購入・設置する工事請負契約や、中古住宅購入と同時に既存給湯器からエコキュートへ交換する工事も補助金申請の対象です。
着工日の期間が2023年11月2日~遅くとも2024年12月31日までの場合、給湯省エネ2024事業の補助金対象となります。受けられる補助金の基本額は1台あたり8万円で、戸建住宅なら2台まで、マンション等の共同住宅なら1台まで申請可能です。
これらはエコキュート等、省エネ給湯器ならではの補助金制度です。
電気温水器のメリット
ここまでは電気温水器とエコキュートの違いを説明しましたが、ここからは電気温水器のメリットに焦点をあてて解説します。
10年程度まで保証が受けられる
電気温水器の寿命は一概にはいえませんが、メーカーでは無償保証期間が2年あるだけでなく、有料で10年程度まで延長保証を受けられるケースが多くなっています。
また、構造が複雑な機器と比べると、電気温水器はシンプルなつくりとなっているため、比較的故障しにくいとも言われています。
非常時にもお湯や水が出る
通常、断水などのトラブルが発生すると、お湯や水が使えなくなりますが、電気温水器は、まとめてお湯を作って貯めておく仕組みのため、電気や水道が止まっても、貯湯タンク内にお湯または水が残っていれば使えます。
停電や断水の他、災害などの非常時にも非常用取水栓から取り出し、生活用水に使える点は大きなメリットです。この利点から、電気温水器を採用される家庭もあります。電気温水器は、普段使いから非常時まで、便利な給湯器であるといえます。
音が静か
使うたびにガスが点火するガス給湯器とは異なり、すでに貯めてあるお湯を使う電気温水器は、使用時の音が静かな点が魅力です。
特に、小さなお子様がいる家庭では、昼寝の時間にわずかな物音や生活音でも起きてしまうことがあるため、音を気にされることが多いでしょう。電気温水器の静音性は、お子様の眠りを妨げないという点でも心強いものです。
電気温水器のデメリット
電気温水器にはデメリットもいくつか存在します。 あらかじめ認識した上で、電気温水器の導入を検討しましょう。
初期費用がガス給湯器より高い
電気温水器は、機種によっては本体価格がガス給湯器よりも高くなる場合があります。ただし、小型タイプであればそれほど大きな初期費用をかけずに導入することも可能です。
ただ、初期費用が少しかかったとしても、導入後のランニングコストが安くなる可能性もあるため、結果的にお得になるケースがあるでしょう。コストが気になる場合は、シミュレーションを依頼してみるのも1つの方法としておすすめです。
広めの設置場所が必要になる
電気温水器を導入する場合は、貯湯タンクを設置する場所が必要です。角型であれば、幅と奥行きは約70~80cm程度、高さは2m前後あります。冷蔵庫のような大きさをイメージするとわかりやすいでしょう。
角型の他に、円筒形の形状をした丸形タイプの電気温水器もありますが、近年では角型が採用されるケースが多くなっています。角型・丸形ともに具体的なサイズは、タンク容量や機種によって異なります。
広めの設置場所が必要にはなりますが、その分、多くの湯水を貯めることができ、災害時に使える点はメリットです。
また、大がかりなリフォームをせずに給湯器の取り替えだけで設置できる場合もあります。現在使用中の給湯器に不具合を感じたら、まずは導入を検討してみるのも選択肢の1つです。
新築注文住宅に導入する場合は、間取りを作る段階から設備機器について住宅会社と打ち合わせすることが賢明です。間取りが完成してから冷蔵庫1個分のスペースを水まわり周辺に確保するのは難しいものです。タンク容量や設置場所を想定し、プランニングに組み込んでおきましょう。
機種によってはお湯切れを起こす可能性がある
お湯切れとは、夜間に沸かしたお湯を貯湯して利用する際に、日中にお湯を使いすぎてお湯がなくなる状態を指します。
現在ではほとんど心配はありませんが、マイコンレスなど古い機種の電気温水器では、お湯切れを起こす可能性がありました。
しかし、近年ではフルオートやエコオートの機種を選べば、お湯切れすることは基本的にありません。
水圧が低め
電気給湯器は貯湯されたお湯を使うので、一般的にガス給湯器に比べて水圧が弱くなる傾向があります。ガス給湯器は水道管から給湯器に直接給水されるため、水道圧に近い圧力でお湯が使えるためです。
ただし、高圧力型の電気温水器もあるため、一概に電気温水器の水圧が低いとはいえません。
また、複数箇所で同時にお湯を使うと水圧が弱まるのはガス給湯器でも同様のため、各家庭の使用状況や設備の状況によるといえます。
まとめ
電気温水器は、電気ヒーターで水を温めてお湯をわかすタイプの給湯器です。夜間電力を利用することによって、電気料金の安い時間帯にお湯を作り、貯湯しておける点が大きなメリットです。
また、非常時には非常用取水栓からお湯や水を取り出し、生活用水に使えるという利点もあります。新築やリフォームを予定されている方は、電気温水器やエコキュートの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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