”これだけは覚えて” 床のリフォーム遮音等級とは

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”これだけは覚えて” 床のリフォーム遮音等級とは


分譲マンションなどの集合住宅に住んでいると、足音に関する苦情を言われたり、楽器や趣味の音が意外に下の階のお部屋に響いてしまった、という経験をした人は少なくないですよね。

そんな音に関するトラブルの原因の多くは、「床への衝撃音」です。
  1. このブログ記事の趣旨
  2. マンションのリフォームの際、床への衝撃音を防ぐための防音の方法や防音商品などを調べると「遮音等級」という言葉を多く目にすると思います。  このブログ記事では耳馴染みのないこの「床の遮音等級」が何なのか、また、床の衝撃音を防ぐのにおすすめのフローリングのリフォーム方法についてお伝えいたします。


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分譲マンションの床の防音対策で気をつけたい「遮音等級」

床への衝撃音を防ぐための防音対策として防音フローリングや床の遮音材、リフォーム方法を調べると、「遮音等級」と並んで「L40」や「L45」などの数値もよく目にすると思います。  これは「遮音等級」を数値で表したL値(えるち)と呼ばれるものです。  

生活音が響きやすいマンションなどの集合住宅では、騒音対策として建物の防音性を示す「遮音等級」の規定が定められており、床をリフォームする際は、マンションの管理組合のそうした規定に沿ったフローリングやリフォーム方法を選ぶ必要があるのでしっかり確認する必要があります! マンションの管理組合に、使用するフローリングや床の遮音材などの「遮音試験性能報告書」を提出する必要もあり、管理規約で定められた遮音等級をクリアしなければ工事には入れませんので気をつけましょう。

マンションの床の遮音等級ってなに?「LL40」「LL45」の違いって?


では「遮音等級」がマンションの床のリフォームに大事なものであると言うのは分かりましたが、具体的に「遮音等級」がどんなものか、またその数値について見ていきましょう。

床の遮音等級ってなに?

個体(床、マンションでいうと基礎部分のコンクリートスラブ)を伝わる衝撃音をどれくらい遮断することが出来るのか、JIS(日本工業規格)にもとづく方法で実験室で測定した数値のことで、「床の遮音等級 =L値(えるち)・推定L等級」と呼んでいます。

床に伝わる衝撃音の種類とL値

また、遮音等級のL値には床の衝撃音の種類が違う「LL」と「LH」という2種類の区分けがあります。  
  1. ・LL(=Light weight):イスの移動音、スプーンやおもちゃの落下音など、人が不快に感じやすい軽くて硬い感じがする高い音(軽量床衝撃音)に対する遮音レベル  
  2. ・LH(=Heavy weight):歩行音や走り回っているときの音、子供が机や椅子から飛び降りたり、跳ねた時のドスンとした重くて鈍い感じの音(重量床衝撃音)に対する遮音レベル 

  3. 「LL-45」と表記されている場合、その意味は「スラブを伝わる軽量衝撃音(LL)が45等級相当」ということになります。

L値は小さいほど、防音効果が高い

「床の遮音等級」を表す基準であるL値は、数字が小さければ小さいほど、遮音性能つまり防音効果が高いということになります。  L値は、L40~L80まで細かくレベル分けされていますが、マンションなどの共同住宅ではL45以下を求められることが一般的です。 最低限LL45以下あれば、おおよそ規定もクリアし騒音も気にならない程度だといえます。
 

「LL40」と「LL45」の違いって?

L値「LL40」と「LL45」の具体的な「音の聞こえる程度」と「生活実感」の違いについて説明します。
  1. ・LL45の場合:椅子を引く音や物を落とした音など、上階の生活が多少わかる状態ではあるが、音の伝わりは小さく、意識するほどではないという数値。
  2. ・LL40の場合:物を落とした音、椅子を引く音はほとんど聞こえず、上階の物音はかすかで、気配は感じるが気にならないという数値。

マンションによっては厳しく「LL40」を規定としている所もありますので、リフォームされる前に必ずご自分のマンションの遮音等級の規定を確認するようにしましょう。

適用等級

遮音性能の水準

対応するL等級 (軽量床 衝撃音)

特級

遮音性能上、特にすぐれている

LL-40

1級

遮音性能上、すぐれている

LL-45

2級

遮音性能上、標準的である

LL-50 LL-55

3級

遮音性能上、やや劣る

LL-60


日本建築学会における適用等級と対応するL等級

L値やL等級は、推定値。条件によって異なる

床の遮音性能を表す「L値」や「L等級」は便利なもので、一般的には「そのL値が書かれた防音商品を使えば、必ず推定L等級の性能が得られる」と思われがちですが、実はそれは誤解です。

L値やL等級は、先にあげた通りJIS(日本工業規格)にもとづく方法で実験室で測定したデータから実際の現場での遮音性能を「推定したもの」なので、実際の床の環境や素材(床の下地のコンクリートスラブの厚み)・建物の空間によって防音性能は変わります。
防音商品を設置する条件によっても、発揮される防音性能にバラツキが大きくなることが考えられます。

基本的に、L値の測定は、床のコンクリートスラブの厚みを150mmとして推定されています。
したがって床下の厚みが150mmのときLL50でも、スラブ厚が120mmになったり、空間的に音が響きやすく、音を吸音するような素材のものが少ないと、LL55になってしまうといったことがあるのです。

つまり、「条件によって変わるので、L値の数値で推定される防音性能・遮音性能が必ず確保されるわけではない」と言うことを知っておく必要があります。

床の遮音等級の新しい表示方式「ΔL(デルタエル)等級」


2008年に「床材の床衝撃音低減性能の表現方法に関する検討委員会」から、より一般消費者にも理解しやすく製品の比較が容易な新表示方法「ΔL等級」が発表されました。

これまでの「L等級」の表示方法が、あくまで一定の条件下における空間での防音性能・遮音性能を推定したものであったのに対して、ΔL等級は床材や防音商品が床衝撃音をどれだけ抑えられるかという製品単体の防音性能(床衝撃音の低減性能)を表すものとなります。

簡単に言うと、今までは予測して・推定していた値を、実際にその防音商品や防音フローリングなどの床材の防音性能を確認して数値として表すことにしたということです。
ちなみにΔL等級の場合、数値が大きいほど性能がよいことになります。(例:4等級のほうが2等級より防音性能が良い)

防音フローリングなどの製品情報には、「ΔL等級・L等級の両方」が表記されることもありますが、集合住宅などでは新表示である「ΔL等級」が規約に書かれることが増えています。
軽量床衝撃音の場合はΔLL-1~5の5段階、重量床衝撃音の場合はΔLH-1~4の4段階の等級が設定されています。
LL40で示される遮音等級と同等のΔ値はΔLL(Ⅰ)-5となります。

分譲マンションの床の防音性を高めるリフォーム方法


床の遮音等級について理解してきたところで、実際にリフォームで床の防音対策として遮音をしようと思った場合どのような方法があるのか、防音性能・遮音性能を高めるフローリングにおすすめのリフォーム方法と、それぞれのメリット・デメリットをご説明します。

置床(乾式二重床)工法


マンションなどのコンクリート床と仕上げの床材(フローリング)の間に空間を取る二重床構造です。
床下にゴムなどの防振作用のある支脚を置きベニヤやパーチクルボードなどで床構造を設置し、その上に床材を敷き詰めることで、遮音性能を高める二重床工法です。


・床が二重構造となることで防音性能が大幅に上がる
・床下に空間をとれるため、配線や配管を回しやすく間取りやレイアウトが比較的自由になる
・上に施工する床材を選ばないので、単体では遮音のとれていない無垢フローリング等も施工できる





・支脚によって床下空間を作るため、床の高さが上がってしまいドアなどの建具がそのまま使えない。
・他の施工方法よりも施工費が高め。
・さらに建具を床の高さに合わるアンダーカットという方法が必要になった場合、その分費用もかかる。

遮音フローリングを施工する


先ほどの二重床の方法は工事も大掛かり、費用も高め、床の高さも変わるので、踏み切るにはハードルが高く躊躇する方もいると思います。 そのような方に向けて開発されたのが、遮音フローリング(防音フローリング)です。  フェルトなどのクッション材がフローリング本体のスラブとの接地面に元からついており、遮音機能を持たせたもので、コンクリートスラブに接着剤で直接貼り付けて施工する方法です。


・施工費が他の工法と比べて比較的安価
・床の高さを上げる必要がない





・コンクリートスラブ自体に張り付けていくため不陸(コンクリート面のわずかな凸凹)などをそのまま拾ってしまう可能性がある
・選べるフローリングの種類が少ない
・基本的に床下の配管や配線ができない
・踏んだ際フワフワしており、あまりフローリングらしくない。船酔いのように感じる人もいる。

遮音マットを施工する


こちらの工法はコンクリートスラブにフェルトやゴム等でできた遮音マットを貼り付け、その上にベニヤ、床材(フローリング)を施工するといったものです。


・床の高さがそこまで上がらない
・上に施工する床材を選ばないので、単体では遮音のとれていない無垢フローリング等も施工できるなど自由度が高い。
・遮音フローリングほどフワフワした感覚がない




・遮音フローリングを施工する方法よりは費用が少し高くなる
・基本的に床下の配線や配管はできない

カーペットに張り替える


カーペットはそれ自体が遮音性能を持っているものが多くあります。
少し昔はマンションの居室といえばカーペットということもありました。


・施工費が比較的安価
・貼り替えもフローリングに比べて比較的容易





・ダニやほこりなどの心配がある
・汚れが付きやすいので液体をこぼすと大変




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まとめ


分譲マンションなどの集合住宅の床のリフォームを考えると、必ずと言って良いほど出てくる「遮音等級」という言葉。 


 多くのマンションで「管理規約」の中で守らなければならない遮音等級が定められており、この基準を守った範囲の床材を選ぶ、もしくはその工法で施工する必要がありますので確認をしっかりすることが大事です。 その上で、自分の家にあった床のリフォームを選びましょう。  


また、管理規約の遮音等級をただの規定と考えるのでなく、階下へのマナーだと思って床のリフォームについて考えられると良いと思います。


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