”意外と知らない” 土地境界線にある境界杭の役割って何なの?
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”意外と知らない” 土地境界線にある杭の役割って何?
- このブログ記事の趣旨
- 不動産売買において、土地の境界杭には重要な役割があります。境界杭によって隣地との境界をはっきりさせることができ、土地の面積を算出する際にも必要です。もし自宅の敷地で境界杭が見つからない場合は、売却する際に困ることになるでしょう。 本ブログ記事では、境界杭の役割から境界杭がない場合の対処法まで詳しく解説します。ぜひご参考になさってください。

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①土地の境界線を示す「境界杭」とは
敷地の範囲は境界で囲まれた部分であり、その境界を示すものが「境界杭」です。
実際、「境界杭」にはいくつかの種類があり、同じ種類の「境界杭」でも境界を示す位置には数パターン存在します。
具体的に言うと、「境界杭」の種類には、コンクリート杭から始まり、石杭、プラスチック杭とあり、コンクリート杭だけでも、一般的な直矢・斜め矢・十字の3パターンあります。
実際、「境界杭」にはいくつかの種類があり、同じ種類の「境界杭」でも境界を示す位置には数パターン存在します。
具体的に言うと、「境界杭」の種類には、コンクリート杭から始まり、石杭、プラスチック杭とあり、コンクリート杭だけでも、一般的な直矢・斜め矢・十字の3パターンあります。
土地の境界杭の重要性
土地の境界杭は、目には見えない境界を明確にする重要な役割を持っています。現地に土地境界杭を設置することによって、隣地トラブルを防ぐこともできるでしょう。
土地の境界杭に求められる条件
土地の境界線を示す境界杭に求められる条件は以下の通りです。
◆不動性
境界杭が簡単に移動すると大きな問題となります。車に踏まれても動かないよう堅牢に設置することが大切です。
◆永続性
100年程度は風雪に耐えられる耐久性が求められます。境界杭に使用する素材が重要です。
◆視認性
誰から見てもひと目で境界杭とわかる必要があります。色をつけるなど目立つように工夫します。
◆特定性
境界杭の位置を特定できるように、設置状況を写真撮影しておきましょう。
◆証拠性
境界を確認した事実や経緯がわかるように、関係者間で境界確認書などを保管することが大切です。
◆管理性
境界杭は自ら責任をもって管理する必要があります。地積など現地の状況と登記を一致させておきましょう。
境界杭の種類
境界杭には、コンクリート杭、石杭、プラスチック杭の3種類があります。
種類 | 特徴 |
---|---|
コンクリート杭 | 不動性、永続性、視認性の優れた境界杭として最も多く使われています。 |
石杭 | 主に御影石でつくられる境界杭で最も永続性に優れていると言われています。 |
プラスチック杭 | 加工が簡単なため、いろいろな形状があります。軽く、設置しやすいですが、コンクリート杭や石杭のような永続性はありません。 |
木杭は耐久性に欠けているため、測量などで仮杭として使われます。 また、境界杭のほかに境界を示すものには、金属標や金属鋲があり、境界杭を含めて境界標と呼びます。
種類 | 特徴 |
---|---|
金属標 | アルミ、ステンレス、真鍮などでつくられる標識で金属プレートとも呼ばれます。永続性、視認性に優れています。 |
金属鋲 | 金属製の境界標でコンクリートの側壁などにドリルで穴をあけ、金属鋲を打ち込み固定します。永続性に優れています。 |
境界杭の見方
境界杭にはさまざまな形状があり、形状により示す位置が変わります。ここでは、境界杭の形状ごとに示す境界の位置を解説します。
引用:日本土地家屋調査士会連合会「知って得する、境界標の「知識」」
境界杭の頭の部分に十字がある場合、十字の交点の中心が境界点となります。金属プレート、コンクリート杭やプラスチック杭、石杭などに見られる形状です。 十字は赤い線で描かれていますが、線が太い場合もあります。境界杭を設置する場合は、ミリ単位まで細かい位置を求められますが、十字の交点の中心が境界点です。
引用:日本土地家屋調査士会連合会「知って得する、境界標の「知識」」
矢印の形状は、矢印が指している先端が境界点になります。石杭やコンクリート杭は面取りされている場合もあり、その場合は矢印の先にある境界杭の端が境界点となるため注意が必要です。

引用:日本土地家屋調査士会連合会「知って得する、境界標の「知識」」
T字は主に三者境で使用される境界杭です。三者境とは、3つの敷地の境のことです。T字の交点上が境界点になります。
◆マイナス
マイナスの境界標は、境界点ではなく境界線を示します。何らかの理由で境界点が明確でない場合に境界線のみ示すために使われ、方向杭とも呼ばれます。
◆鋲
境界杭の設置が難しい場所では金属鋲が使われ、金属鋲の中心が境界点となります。既設の古い石杭のくぼみが摩耗してわかりづらくなった場合にも使われます。
②境界杭の見つけ方
境界杭が見えない場合は探してみましょう。古い家の場合、長年蓄積された落ち葉や土などで隠れていることがあります。 やみくもに庭を掘らないためにも、境界杭の見つけ方のコツをご紹介いたします。
地積測量図を確認する
過去に自宅の敷地を測量したことがある場合は、測量の際にもらった測量図を探しましょう。測量図がない場合は、自宅の管轄の法務局で地積測量図があるか調べます。過去の土地の所有者や隣地の所有者が測量したことがあれば法務局で取得することができます。 地積測量図とは、土地の面積を法的に確定した書類のことです。
地積測量図に記載された境界付近を掘る
地積測量図は、基本的にすべての境界点と境界点間の距離が記載されています。ただし、昭和50年代以前の地積測量図は測量精度が低く、測量していない残地も含まれていることがあるため注意が必要です。 既存の境界杭から地積測量図に記載されている距離を測り、境界点の目星が付いたら、その付近を堀ると見つかる可能性があります。
隣地との塀や壁で確認する
測量図がない場合は、隣地との塀や壁がどちらの敷地にあるか確認します。両親や隣地の所有者に確認することも1つの方法です。 隣地との塀や壁は、両方の敷地をまたいで設置されている場合があり、そのときは塀や壁の中心が境界点となっている場合があるため注意が必要です。 塀や壁の所有者がわからず、境界杭が自分の敷地内で見つからない場合は、塀や壁の隣地側にある可能性があります。隣地の所有者に確認してもらうか、敷地に入る許可をもらったうえで確認しましょう。 それでも境界杭が見つからない場合は、塀が倒れないための控え塀があるか確認しましょう。控え塀が内側にあれば、塀は敷地内にあり、塀の外側に境界杭がある可能性が高いです。
③境界杭がない場合はどうする?
それでは境界杭がない場合はどうしたらよいのでしょうか。
境界杭がないままでも大丈夫?
先述の通り、古い土地の場合は、境界杭が何らかの理由でなくなっているケースは少なくありません。境界杭を再設置するためには土地家屋調査士に依頼し費用がかかるため、現状維持するのであれば、急いで行動を起こす必要はありません。 しかし、土地を売却する場合はできるだけ早めに境界杭を再設置する必要があります。最近の土地の売買においては、すべての境界点に境界標が設置されていることが条件になっている場合がほとんどです。 境界杭がないために売却できない、なんてことにならないように早急に土地家屋調査士に境界杭の再設置を依頼しましょう。 また、隣地の所有者が建て替えする場合や、隣地との間にブロック塀やフェンスなどを設置する場合にも境界杭の再設置が必要になります。
境界杭の再設置、復元費用
境界点1箇所に対しての境界杭再設置費用は10〜15万円が相場です。土地家屋調査士が行う業務内容は以下の通りです。
- ・境界点の測量
- ・境界点の立会い確認
- ・境界杭の設置
- ・境界確認書の作成
明確な地積測量図があり、隣地の人の立会いもスムーズで境界杭を復元する場合などは10万円を切ることもあります。
確定測量費用
境界杭を再設置する際に、根拠となる地積測量図がない場合や作成が古い地積測量図で境界点が正確でない場合などは、確定測量することをおすすめします。 確定測量とは、全ての隣接地との境界において隣接所有者との立会いのもと境界確認を行う測量のことです。確定測量には、35〜80万円の費用がかかります。
確定測量費用に影響する条件
確定測量費用に影響を与える条件は以下の通りです。
- ・土地の面積
- ・隣接地の数
- ・境界点の数
- ・隣接道路の種別
- ・隣接道路の境界確定の有無
それぞれ見ていきましょう。
◆土地の面積
一般的に、土地の面積に比例して費用が増加します。面積が広いため隣接する所有者が増え、測量にかかる時間も長くなることが理由になります。
◆隣接地の数
隣接地の数が増えれば、隣接する所有者の人数が増えることになります。立会いなどの業務が増えるため費用が増えます。 また、隣接地の所有者が個人か法人かによっても費用が異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
◆境界点の数
平坦できれいな四角形の土地と高低差がある土地や複雑な形状の土地とでは計測する労力が変わるため金額に差が出ます。
◆隣接道路の種別
本地に対して接している道路(建築基準法の道路)の種類によって、公道か私道によって国、市、区、町、村との協議や私道持分者との協議が必要となります。土地がある場所によっても費用が異なります。立会いに役所が必要な場合で、測量会社に委託している場合は、その費用も負担する必要があります。
確定測量費用が高額になるケース
確定測量費用に影響する条件以外に高額になるケースは以下の通りです。
◆隣地の権利者が複数いる場合
隣地の所有者が相続などにより共同で所有している場合は、所有者全員の同意が必要になります。スケジュールの調整などで時間がかかるため高額になるケースが多いでしょう。
◆登記手続きが必要になる場合
測量した面積が登記簿に記載されている面積と違う場合や相続対策などで分筆登記する場合には、登記手続きが必要となるため費用が高くなります。登記することによって土地をめぐるトラブルを未然に防ぐことができます。
◆隣地の所有者とトラブルがある場合
隣地の所有者と境界についてトラブルになっていたり、人間関係がうまくいっていない場合などは測量費用が高くなる可能性が高いでしょう。立会いに応じない場合や境界確認書に署名、捺印しないなど測量期間が長期化する恐れがあるためです。 隣地の所有者と揉めている場合は、土地家屋調査士に隠さず話し、対策を練る必要があります。
◆隣地の所有者が不明の場合
隣地の所有者がわからない場合は、不在者財産管理人制度を活用することになります。不在者財産管理人制度とは、土地所有者が不在である場合に、家庭裁判所により選任された不在者財産管理人により、土地等の管理及び保存を行う制度のことです。 隣地の所有者が不明の場合は、測量期間が長期化する恐れがあり、また、弁護士費用や裁判所への予納金が必要なる場合があるため高額になります。
④境界杭をいじるのは危険!境界損壊罪とは
地震などで境界杭がズレているのを発見した場合でも、勝手にいじるのは危険です。最悪の場合、境界損壊罪に問われる可能性があるため注意しましょう。 境界損壊罪とは、刑法で規定された土地の境界を認識することができないようにする犯罪のことです。5年以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられる可能性があるため注意しましょう。
もし勝手に抜かれたり移動されたりした場合の対処法
仮に隣地の所有者が境界杭を勝手に抜いたり、移動した場合で境界杭の位置が間違っているときでも勝手にいじることはできません。 また、勝手に境界杭を設置する行為は所有権の妨害にあたり、妨害排除請求の対象になる可能性があるため注意が必要です。 隣地所有者との境界に関しての認識の違いで境界杭を勝手に抜かれたり、移動された場合は、正しい位置に新しく境界杭を設置しましょう。 隣地所有者と話し合いができる状況であれば、土地家屋調査士に確定測量を依頼します。隣地所有者と揉めている場合は、筆界特定制度や境界確定訴訟を利用することをおすすめします。 筆界特定制度とは、土地の境界の位置を特定する制度で、土地の境界トラブルを裁判なしで解決を図ることができます。 境界確定訴訟とは、筆界が明らかでない場合に判決の確定により筆界を形成する訴訟のことです。
⑤もし土地の境界を超えているのを見つけたら…
それでは、実際に土地の境界を超えている(越境)のを見つけた場合はどうしたらよいでしょうか。
放置するのは危険!時効取得とは
売却をしない場合などは、境界杭がなくなっていても急いで対処する必要はありません。 しかし、土地の越境を見つけた場合に放置するのは危険です。越境している場合は時効取得される恐れがあるため注意が必要です。 土地の時効取得とは、他人の土地を所有する意思を持って一定期間占有した場合に時効により所有権を得ることができる制度のことです。 土地の時効には長期取得時効と短期取得時効の2種類があります。それぞれご説明いたします。
◆長期取得時効
自分の土地ではないことを知りながら、隣の土地に越境し、その状態が平穏に20年間続いた場合、長期取得時効が成立します。 土地の越境による時効は、以下の要件を備えることによって成立します。
- ・平穏かつ公然としていること
- ・所有の意思をもっていること
他人と土地だと教えられていたのに忘れてしまった場合にも長期取得時効が成立するため注意しましょう。
◆短期取得時効
自分の土地でないことを知らず、かつそれに対して整合性が認められる場合、その状態が平穏に10年間続くと短期取得時効が成立します。長期取得時効とは違い、故意ではなく過失がある状態です。 短期取得時効にも長期取得時効と同様、2つの要件を備える必要があります。 また、土地の越境の期間を中断すると時効は成立しません。
越境された場合の対処法
実際に土地の越境を見つけた場合は、まずは隣地の所有者に越境の事実を伝えましょう。境界杭がきちんと設置されていて、越境の事実を認識してもらえば、短期取得時効は該当しません。 しかし、境界杭が設置されていない場合などは時効取得を主張される恐れがあるため、新しく正しい位置に境界杭を設置して、越境を解消してもらうことをおすすめします。
まとめ
境界杭には、土地の境界をはっきり示す重要な役割があり、自宅を売却する場合には必要になります。また、勝手にいじると境界損壊罪に問われる可能性があるため注意しましょう。 将来売却を考えていない人も、相続する場合を考慮して自宅の境界杭を確認することをおすすめします。
不動産の取引には非常に複雑な知識や経験が必要になります。いい不動産会社と出会うことができれば、面倒な手続きも代行してくれて適切なアドバイスをしてくれます。
また、思い入れのある土地や、資産性のある土地なら手放さずに活用するという選択肢もあります。
実家の価値 実家相続 実家どうする 実家売却 実家売るには 初めての売却 初めての不動産 東京都北区 イエウール 離婚どうする 不動産売却 空き家 空き家対策 空き家活用法 後悔しない不動産取引 後悔しない 住宅ローンどうする 売却相談 家の価値 売却の窓口 家売る いえいくら 不動産高く売りたい 不動産相談 一戸建て 離婚 遺産相続 相続登記 不動産どうする 不動産の価値 解体 買いたい 不動産の答え 査定 査定額 土地活用 土地いくら 不動産どこに相談 信頼 パートナー 結婚 相続不動産 不動産高く 一括査定 注文住宅 リフォーム 不動産会社 荷物 引越し 暮らし 子育て 独立 財産分与 一戸建て 管理会社 媒介 いくら 正直不動産 任意売却 賃貸人 賃借人 賃貸経営 戸建貸す マンション 店舗 事務所 SUUMO HOME‘S アットホーム 貸す 不動産トラブル 退去 入居 トラブル