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無権代理(むけんだいり)

不動産用語用語集


無権代理(むけんだいり)

  1. 無権代理とは、代理人(正確には代理人と自称するもの)が全く権限を持っていないのに代理行為を行ったか、あるいは与えられた権限の範囲を超えて代理行為を行った場合のことを指す。 無権代理行為は、代理権を欠くので本人に対しては効果を生じないばかりでなく、代理人も、自分に効果を帰属させる意思で行為をするわけではないので、理論上は、本来無効となるべき行為である。すると、本来ならば、相手方は自称代理人に対しては不法行為責任を追及するほかなく、これでは、相手方の保護に欠け、ひいては代理制度に対する社会的信頼も損なわれかねない。そこで、民法は、無権代理行為を直ちに無効とはせず、まず、本人に責任を負わせるのが(つまり本人にその効果を帰属させるのが)公平かつ妥当である特別な事情のある場合には、有権代理と同じ扱いをすることにし、次いで、そのような事情がなくても、本人に無権代理行為を追認して有権代理と同じ結果となるようにすることができるようにする制度を設け、追認がない場合に初めて無効にした上で、最後に無権代理行為をした者に特別の責任を負わせることにしたのである。
  2. これらが、「表見代理」(民法第109条、第110条、第112条)、「無権代理行為の追認」(民法第113条~第116条)、そして「無権代理人の責任」( 民法第117条)の制度である。本課ではまず、無権代理行為とその追認及び無権代理人の責任について説明する。 無権代理行為は、単独行為の場合と契約の場合とで取り扱いが違う。相手方のない単独行為の無権代理は常に無効である。相手方のある単独行為は、原則として無効であるが、相手方が同意すれば無効にする必要はないので、その場合には次の契約に関する無権代理の場合と同じように取り扱われる(民法第118条)。 
  3. 契約についての無権代理の場合には、本人の追認があれば本来の代理行為として有効になり、追認がなければ、あるいは拒絶されれば無効となり、その代わりに無権代理人に履行又は損害賠償の責任が生じる。つまり、無権代理行為でなされた契約は、直ちに無効となるのではなく、一時的に本人に効果が帰属するか否かが不確定の状態を経た後、追認によって有効に確定するか、あるいは追認拒絶によって無効に確定し、無権代理人の責任が発生するのである。この不安定な状態を解消するため、相手方には、催告権と取消権が認められている(民法第114条、第115条)

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